建国記念日の意味!英語で説明する時には要注意?
私のなかでは『建国記念日』の祝日は
正直言って、影が薄い存在です。
国の何かしらの記念日くらいにしか
意識していませんでした。
軽い気持ちで『建国記念の日』の由来を調べたら、
予想以上に色々なことがわかりました。
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そして、外国の建国記念とは意味合いが大きく違うことを知りました。
同じような疑問を持った人は読んでみてくださいね。
建国記念日2017年はいつ?
2017年の建国記念日はいつ?
2017年2月11日(土)
残念ながら、2017年は土曜日となり、
振替休日とはならないので注意が必要です。
毎年日付が変わる、いわゆる移動祝日ではありません。
建国記念日は毎年同じ日。
2月11日となります。
そして、建国記念日と一般には言われることが多いようですが、
正確には『建国記念の日』です。
『の』が入るのが正しいのです。
この理由は最後の方まで読んでみてくださいね。
建国記念日は英語で何?
建国記念日を英語で何というのか?
ちょっと横道にそれますが、英訳は?
建国記念の意味にも深い関わりがあるので
紹介したいと思います。
National Foundation Day
単語の意味をひとつづつ見ていくと、、、
Nationalは形容詞。
国民の、全国民(共通)の、国家の、
国家的な、国家全体の、全国的な、
全国向けの、一国を象徴する、国民的な、国有の、
こんな意味になります。
ちなみにNationalを名詞に変換するとNation。
国民や国家、あるいは民族の意味になります。
そして、Foundation。
これは名詞になります。
ざっと意味を書き連ねてみますね。
創設、創建、設立、
(基本金寄付による)設立物、財団(学校・病院・社会事業団体など)
基礎、土台、出発点、いしずえ、
ファンデーション(化粧の下地として用いられる化粧品)
絵の具の下塗り(油絵で画布の上に塗る)
ずらずらと英訳を並べてみました。
なんとなくイメージがつかめませんか?
- 国家が創建された日
- 国民のいしずえとなる日
- 一国の出発点となる日
私なりに訳してみるとこんな感じです。
建国記念日の意味と歴史
建国記念日の英訳から考えてみると、
この日は日本という国家が創建された日のはずです。
しかし、どうでしょうか?
歴史の授業で日本という国は○月○日から始まりました。
そんなことを習った記憶がありますか?
弥生時代、平安時代、奈良時代、、江戸時代、などなど
それぞれの時代については勉強した記憶があります。
日本という国がいつから始まったのか?
うーん、覚えがありません。
ちなみに『いい国(1192年)作ろう鎌倉幕府』ではなく
『いい箱(1185年)作ろう鎌倉幕府』が今では定説だそうです。
国の始まりどころか、新しい時代が始まった年月ですら
こうも時代考証で変化するのです。
それなのに建国記念日に関しては
2月11日と日付がきっちりしています。
ちょっと不思議な気がしませんか?
じつは、建国記念の日が制定されたのは昭和41年。
西暦でいうと、1966年です。
そんなに昔からある祝日ではないのです。
日本の歴史を考えると、最近と言ってもよいのでは?(笑)
建国記念の日の祝日は比較的新しいことがわかります。
なんだか、この点もちょっと気になってきました。
ここで日付の話に戻ります。
この建国記念日が何に基づいて決められたのか?
調べてみると、日本神話がもとになっていたことがわかりました。
具体的には、日本書紀や古事記に出てくる神武天皇。
この方は日本の初代天皇とされています。
しかし、本当に実在していた人物なのかどうかは不明です。
どちらかというと神話、
伝説上の人物という説が強いようです。
日本書紀によると、神武天皇の即位日が
紀元前660年1月1日なのです。
しかし、これは旧暦であり、
新暦に換算すると2月11日前後になるのです。
一言で乱暴にまとめてみると、
神武天皇の即位日 = 建国記念の日
これが2月11日の根拠になります。
しかし、もう少し突っ込んでみると、
面白いことがわかりました。
建国記念の日が制定される以前より
2月11日は祝日だったのです。
紀元節(きげんせつ)という祝日です。
1873年(明治6年)から1948年(昭和23年)まで
2月11日は紀元節(きげんせつ)の祝日でした。
神武天皇即位の日として明治5年に祝日として定められたのです。
しかし、紀元節は旧暦の1月1日に当たるため
旧正月をお祝いする祝日として誤解されて、
国民の間には広まったそうです。
蛇足ですが、明治5年まで、
日本では天保暦という旧暦をカレンダーにしていました。
新暦に変更すると、毎年、日時が変化してしまい
計算が煩雑になるため、固定で2月11日を紀元節としたのです。
その紀元節の祝日は昭和23年まで続きました。
しかし、第二次世界大戦敗戦後、占領軍 (GHQ)の意向で廃止されました。
そして、紆余曲折を経て『紀元節』は『建国記念の日』として、
1966年(昭和41年)に国民の祝日となったのです。
長くなりましたので、簡単にまとめます。
- 建国記念の日 = 初代天皇といわれる神武天皇の即位日
- 明治時代(明治6年)〜第二次世界大戦敗戦後(昭和23年)
までは『紀元節』の祝日だった - 『紀元節』が廃止される
- 1966年〜 『建国記念の日』として祝日になる
こんな歴史があったのです。
建国記念日は外国にもある?
ところで、建国記念日って外国にもあるのでしょうか?
はい、あります。
しかし、何をして建国とするのか?
それが大きく日本と違います。
いくつかの国を例として見ていきます。
アメリカ合衆国 7月4日 独立記念日(Independence Day)
イタリア 6月2日 共和国記念日(Festa della Repubblica)
ウクライナ 8月24日 独立記念日
タイ王国 6月24日 革命記念日
こうしてみると、大きく2つの種類に分かれませんか?
- 国として独立した日
- 国内での政体が変化した日
前者だと、植民地支配から独立した日
後者だと、クーデータなどで王制から共和党になった日
例を挙げるとしたら、こんな感じです。
アメリカやウクライナは前者のタイプ。
イタリアやタイは後者のタイプですよね。
国の内側あるいは外側から、何かしらの大きな事変が起きて、
その日を建国記念日とする国が多いのです。
何かしらの契機となる出来事が起こった日。
これがある場合が圧倒的に多い。
そこが日本の建国記念の日とは大きな違いではないでしょうか?
ちなみに、法律で定められた「建国記念日」がない国としては
イギリスがあります。
そんな背景を知ると、日本の建国記念の日は
他国とはちょっと毛色が違うような気がします。
英語で『National Foundation Day』を説明する場合は
独立記念日(Independence Day)などとは、建国の意味合いが違うことを一言添えた方が誤解がなくていいかもしれません。
世界で「建国記念日」を祝日とする国は多いのですが、
何をもって建国記念日とするかは異なります。
日本の場合、国民の祝日に関する法律によると、、、
建国記念の日の趣旨について、
「建国をしのび、国を愛する心を養う」と規定しています。
つまり、日本という国が○月○日に建国した日という意味ではなかったのですね。
なので、『建国記念の日』と『の』が入っているのです。
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